競馬の一口馬主を回収率重視で続けていく初心者向けブログ。府中でベコ買うだ!
2017/07«│ 2017/08| 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 »2017/09
15:03:48
フサイチホウオー。
それは日本ダービー、ケンタッキーダービーを制覇した関口房朗オーナーが三度ダービーを制覇する為にセレクトセールで1億円で落札された馬。

ダービー当日の単勝オッズは1.6倍。
関口オーナーは当時ブームだったボクシングの亀田ファミリーを従え、レース前からファンたちに手を振る余裕。

しかし、勝ったのはウオッカ。
フサイチホウオーは7着でした。

その後は輝きを見せることなく、重賞を5戦して、うち4戦が二桁着順と凡走。
ひっそりと引退していきました。




【ダービー単勝1倍台に支持された馬達】


83 ミスターシービー  顕彰馬
84 シンボリルドルフ  顕彰馬
91 トウカイテイオー   顕彰馬
94 ナリタブライアン   顕彰馬
05 ディープインパクト 顕彰馬
07 フサイチホウオー
15 デュラメンテ


・・・フルゲート18頭制になって以降、ダービーの1番人気は17年連続で複勝圏内に入っていたが、その記録をフサイチホウオーが断ち切った。





これを見るだけでもフサイチホウオーが異質な存在であることが分かります。
また、当時は牝馬が牡馬と互角にやり合うことはもちろん、ダービー馬になるなど考えられない雰囲気がありました。





(大スポ・伊藤雄二元調教師にウオッカのダービー挑戦について聞く)

-ウオッカが大きなチャンレジを敢行します。
「ワシには理解できんわ。はっきり言って何をしたいのか、よう分からん。
桜花賞で勝っているならまだしも、2着に負けてるんやろ。何でオークスに出とかへんかったんやろうな」

-この戦いは厳しい?
「3歳の1,2月までなら完成度の高さで牡馬相手にも善戦できる。でも春になると牡馬もドンドン成長する。
桜花賞と皐月賞のパドックで馬を見比べてみい。体つきが男と女では全然違うのが分かるはずや」

-96年のオークス馬エアグルーヴが仮にダービーに出走していれば?
「ワシは個人的にはエアグルーヴが史上最高の牝馬だと思っているけど、あの馬でも勝てへんかったと思う。
仮に出走していてもレース中に牡馬に体をぶつけられてヒルんで終わっていたやろうな」

-87年にはマックスビューティが神戸新聞杯で牡馬相手に勝利していますが。
「G2とダービーは格が違う。道中で馬体と馬体が激しくぶつかり合って、道中からかなり消耗する。
ダービーはタフネスが必要なんや。もちろんオークスとも厳しさが全く違う」

-やはりウオッカの挑戦は無謀?
「牡馬は上がり調子でこのダービーを迎えられるのが多い。逆にウオッカは休み明けのエルフィンSの時からビッシリ仕上げすぎた。
もうこのレースへの余力がないやろうから、余計苦しいと思うで」

-では気になる牡馬は?
「ダービーは歴史に残る名勝負が多い。要するに強い馬が勝つ。それに今年は軸がしっかりしている。
フサイチホウオーの皐月賞での脚を見ると、あの馬にかなうのはおらんのとちゃうか」

(2ちゃんねるより)




と、このように自称含め、玄人ほどフサイチホウオーを推し、素人ほど牝馬ウオッカを支持する傾向にありましたが、結果は上の通り。

この時期からダイワスカーレット、ブエナビスタ、ジェンティルドンナなど牡馬を打ち負かす牝馬が続々と登場。
伊藤氏の言葉は当時の基準から見れば正に”正論”なのですが、『競馬の常識』などという洗練されていない物は簡単に覆るし、物事を先入観と経験則で簡単に決めつけてしまうことの愚かさを学びました。







フサイチホウオー失墜の原因の一つに、うつ病が挙げられていました。
ホウオーは繊細な馬で、牧場へ放牧に出された際には、厩舎で飼われていた犬や同厩フサイチリシャールと別れた事で極端に寂しがり、一日中鳴き続けたそうです。

結果、体を戻すどころか、休養前よりもガレてしまう有り様で、この辺りのメンタルの弱さが競走馬に不適格であったとする見方もあります。


引退して牧場に戻った後も、最初は見学者達と積極的に触れ合っていたホウオーでしたが
「これが”あの”ホウオーかぁ・・・」という好奇の目で見られていることを察してか、次第に馬房から出ることを止めてしまったという逸話もあるほどで、元々集団生活を営む馬は「察する」ことに優れた動物ですが、ホウオーは特に繊細で、精神的な弱さを助長していたようです。



人間のアスリートも『心技体が揃ってこそ』と良く言いますが、サラブレッドも同様なのでしょう。



スポンサーサイト

18:22:06
競走馬の出遅れの原因を考える・1



以前に書いた記事の続きです。
かなり間が空いたのはお察しの通り、まとまりの無い自分で何が言いたいのか分からない内容になりお蔵入りしていたからです(笑)
しかし、消すのももったいないので、一応アップします。







まず、自分の体ほどしか無い狭い空間であるゲート内に閉じ込められるのは、本来、草原で暮らす馬にとっては激しいストレスになります。

ただゲートがストレスになるからこそ、開いた時にポンッとダッシュ良く飛び出す効果も狙っている為、ストレスの程度問題でもあります。

今年の年始のグリーンチャンネル特番で吉田照哉氏が、
「日本のゲートは前面が解放的すぎる。もっと海外のように前面の網を遮蔽した方が良いのでは。」
と苦言を呈していました。


これは恐らく、日本のゲート内は視界が良好すぎる為、その先のターフが見えてしまい、我慢がきかず出たがって暴れたり、ゲートの下を潜るような行動に出るからでしょう。

実際に日本と海外のゲートを比べてみましょう。

japangate.jpg
dubaigate.jpg
(上がJRA、下がドバイのゲート。遮蔽の差はありますが馬の目線上はどちらも見えていますね。)


先の馬場が視界良好に見えるということは、この数秒後に起きる熾烈な戦いをハッキリと馬が予測出来る為、より興奮状態を招いてしまうというわけです。

これをある程度遮蔽した所で、もちろん馬は数秒後に何が起きるのか分かっているのでしょうが、視界の遮断というのは、ほとんどの動物を大人しくさせる効果があります。

馬がゲートに入らない時に覆面をさせるのもそういう理由ですし、鳥類などはそれが顕著で、手で目を隠すと途端に大人しくなります。

ちなみに人間にも同様のことが言え、光の刺激は興奮を招き、結果疲労を伴います。
ですからマラソン選手がサングラスを着けている理由は、単に眩しいからでは無く、光を何割かカットすることで視覚から入る情報量・刺激を減らし、それによって疲労を少しでも軽減する目的からなのです。


ですから照哉氏の指摘については私はもっともだと思います。






次に肌がゲートや異物に触れるのを嫌がる点。
ゲートは馬1頭ちょうどのスペースしかありませんから、入ると前後左右様々な所に体が触れます。

これはその馬の個体差が相当あるでしょうが、先天的に肌が敏感で異物が触ることに拒否反応がある場合や、後天的にこれまでの馴致で理不尽にムチを腹、尻に入れられすぎた等、嫌なことがあり、それによってその部位に触られることを極端に嫌がるようになってしまった場合もあるでしょう。

ゲートでは触れませんが、腹の下側(腹帯を締める辺り)は特に敏感で、大人しい乗用馬でも触ると不快なのかこそばゆいのか、ピクピクと肌を振るわせて反応したり、ブラシを嫌がります。




以前、ローブティサージュがゲート入りを嫌ってムチで打たれた事件でも、騎手を降ろしてこの敏感な腹に長鞭を打っていました。
JRAは朝日新聞の取材に「長鞭で痛みを与える目的は無い。」と述べていましたが、これはもちろん嘘で、馬が一番痛がる場所を狙ったということです。

元々、長鞭は馬上で手綱とムチを同時に持ったまま脾腹を打つことが出来る道具で、そういう意図があります。
(単鞭では騎手のように片手持ちにしないと尻や腹は打てない。)






他にも2014年の天皇賞春でゲート入りする際、ゴールドシップの尻をベシッと叩いた係員が原因で、馬が「ブオーーー!」と吠えて暴れて結果、出遅れたという事件がありました。


出遅れの原因は複雑でそれと断定することは出来ませんが、係員が不用意に尻に触れており、それにイライラのスイッチが入ったというのは理由としてはあり得ます。
あまりの咆哮に別の馬に乗った蛯名騎手も驚いたのか、レース後、真似をする様子がテレビで中継されていました。


これらの対策として、先日の記事のリンクで述べた通り、ゲート用の馬着や、ゲートボーイによる愛撫で緩和出来ます。



しかし、現状日本ではルール上、認められていないわけで、だとすると物理的な対策が不可能であり、普段からの馬の精神的問題を解決する他無く、完全矯正は難しいでしょう。







続いて、ゲート内で隣の馬が暴れて、こちらもパニックになってしまうこと。
馬のような集団生活を営む動物は、人間同様、心理状態が伝染します。(災害時の集団パニックや、詐欺で行われる集団催眠による商法など。)

特にレース直前の馬の心拍数は、この直後に訪れるレースへの恐怖と興奮で、走る前にもかかわらず相当にまで上がりますから、何か些細なことでもスイッチが入り、緊張と我慢の糸がプツッと切れることは容易に想像出来ます。



今回挙げたこれらのことは、気性難で制御の効かない馬ほど、さらに増幅してマイナス効果を強めます。

気性の荒らさは勝負根性と表裏一体と言われているわけですが、農学博士の楠瀬良氏は「パドックで落ち着いている馬の方が、着順を上げる効果がある。」という研究結果を発表していますし、ゲートも同様に、イライラしたり落ち着きの無い馬は出遅れる確率も上がり、結果が出にくいと考えられます。




その3へ続きます。
(多分・・・)

14:53:36
ラグビーワールドカップで超絶弱小の日本チームが、世界ランキング3位の南アフリカにまさかの逆転勝ち。
歴史的快挙に日本中が沸いています。


スポーツグッズ店では、日本代表のユニフォームが売り切れ続出と”にわかファン”が急増です。
これまで低迷する日本を応援し続けたファンからすると、うれしい半面、にわかがあれこれと言うのは面白くないでしょう。
(#^ω^)ビキビキ


私は出身校がラグビーの強豪校だったこともあり、休日家にいる時にテレビでやっていれば見る位の理解度はあります。
ルールも、審判が自分の裁量でビデオ判定を求めることが出来たり、マイクがついていて審判の話す言葉がテレビで聞こえたり、野球やサッカーよりも透明性が高いので、好きな競技です。


野球はといえば、審判の目が悪く、セーフかアウトかも見分けられず、抗議すると報復的な判定を下して来るのが、なぜか黙認されています。

サッカーもあの広いピッチで審判から見えるわけが無いのに、なんとなくで笛を吹き、選手達はわざと転んだり、審判を意図的に騙す行為もテクニックの一つだと開き直っています。

これらのスポーツがビデオ判定を取り入れない(メジャーリーグは一部導入しましたが。)のは、怠慢と審判の労働組合がなのかはわかりませんが、必要以上に権限が強い等、問題が多いです。






話を戻して、先日のラグビーワールドカップ、日本対南アフリカ戦の勝利で、日本代表の五郎丸選手のキックの場面が繰り返し報道されていますね。
あの忍者ハットリ君のような「ニンニン!」のポーズが印象的です。

img_38d313c8dec1163e915b4d0915b02a08289683.jpg


このポーズは最近話題になっている「ルーティン」の動作の一つです。
五郎丸選手の場合はティーにボールを置く際にボールを2回転させ、~歩下がり、左へ~歩移動し、中腰で忍術ポーズをして・・・といった流れのルーティンを行っています。


ルーティンと日々の鍛錬の成果で、コンピュータでキックする際の動作を分析しても、毎回、蹴った後のフォロースルー以外つまり、蹴るまでの動作は寸分違わず、全く同じ動きを繰り返すことが出来ていました。


他には、イチロー選手がバッターボックスで行う動作が最も有名で、腕を一旦伸ばしてバットを立て、袖を捲る・・・といった動作を毎回行っています。


ichiro.jpg



「ルーティン」とは、いつも決まった準備動作をすることで、試合の緊張する場面やコンディションが悪い時でも、何千、何万と繰り返してきた「練習と同じパフォーマンス」を発揮する為の、精神的、肉体的、両方に効果をもたらす行動です。




ルーティンは肉体的な所では、いわゆる「体が覚えている」という現象を利用しており、同じ予備動作を行うことで、肉体的なバランスを損なっている状態(体調、メンタルの影響から。)でも、練習通りの事が行えるわけです。


平たく言えば、突然音楽が掛かって、その瞬間から踊れと言われても躊躇しますが、伴奏の10秒後に入れと決まっているならば、段々とリズムが取れて、それに乗ってくるような感覚でしょうか。






また精神的にも、同じことを行うことで、脳の指示と身体の反応を一つ一つ確認しながら準備を行うことで、落ち着きを取り戻し、集中力を高めることが出来るのだと思われます。



五郎丸選手が中腰で忍者のポーズを行うのは、海外選手のを模倣したという話も聞きましたが、中腰で重心を低く取ること、そして真ん中で手を合わせることで、縦軸、横軸の体幹のブレをリセットしているのではないかと私は推測しています。


陸上選手や格闘家が試合直前にポーンポーンと垂直にジャンプしたり、ゴルファーが構えてから打つ直前にお尻を小さく振って、左右の足の裏をペタペタと踏み直すのも同じ理屈です。




詳しくは以前に書いた、下記の記事をどうぞ。


犬がフンをする時は南北を向いている・・・ドイツ研究チーム





日本では近年、注目され始めたルーティンですが、実は1980年代後半から90年代前半に競馬界を賑わせた稀代の名馬オグリキャップもルーティンを行っていたことで有名です。

ogurikya.jpg


レース直前からゲートに入る寸前までの間に『武者震い』を行うことは競馬ファンなら知る所でしょう。
武者震いと呼ばれていますが、ようするに、犬などがよく行う『ブルブル』です。

参考画像: 柴ドリル
sibadori.jpg

スタンプもあるよ・・・!(`・ω・´)

Screenshot_2015-07-21-14-00-59.png





オグリキャップが『武者震い』をすることは、中央競馬に参戦した初戦から確認されており、中にはゲートの前で引っ張る係員に逆らって立ち止まり、ブルブルブル!と首を振るわせてから自らゲートに入っていく事もありました。



これは間違いなく、馬が自分の意思で行っているわけで、レース前の緊張状態を自分でも理解し「これをやっておかないと気持ち悪い。」という気持ちから、毎回そうさせているのだと思います。



まるで『ゲンを担ぐ』ような行為であり、自分のメンタルまで意識することが出来るという、サラブレッドの高い知能と豊かな感情を証明するエピソードの一つだと思います。





さらに言うと、レース直前の馬の心拍数はエンジンを噴かせて待機するスポーツカーの如く、かなり上がっていることが確認されています。

当たり前ですが、この後、本人の意思に関係なく、死にもの狂いで走ることと、その結果で自分の周囲の人間から褒められたり、ガッカリさせたりなど、自分の評価が大きく変わることも知っているからです。







だから、レースが始まると興奮でプツンと自我を失って、本能のままにひたすら逃げてしまったり、掛かってしまう馬がいるのです。
ここからは推測の域を出ませんが、オグリキャップはそういう自我を失うほど興奮してしまうのを良しとしていなかったのかも知れません。


オグリキャップに限らず、競走馬が見せる最後の直線で見せる勝負根性を我々は「闘争本能」と呼んでいますが、オグリキャップのように非常に冷静に「競馬という勝負を理解している」馬もいるようです。



ディープインパクトが2周走る菊花賞の1周目で武豊騎手の手綱に逆らって、ポジションを勝手に上げたエピソードからも馬の勝負根性というのは闘争本能のみではなく「これが自分の仕事なのだ。」と競馬とそのルールを良く理解しているのは、犬や馬など人間に使役する動物に見られることです。



また、馬をレースで興奮させない為に、育成する人間側が馬にルーティンを仕込むというのも、今後ありそうな気がします。



こうしたエピソードからしてもオグリキャップというのはすごい馬だなと改めて思います。
アイドルホースでスーパーホースと呼ばれ、人々を魅了する名馬にはそれなりの理由があるものですね。



21:30:17
競馬において出遅れるというのは、長距離ならばともかく、スプリントからマイル戦など短距離レースでは致命的な弱点となります。

そうした出遅れ癖、ゲート難がある馬が完全に矯正されたという話はあまり聞きません。
むしろ、毎回出遅れる馬の方が皆さんの記憶に多く残っているのでは無いでしょうか。

つまり、出遅れ癖というのは我々が思った以上に深刻で、根本的解決が難しい問題と言えます。
先日の宝塚記念で、単勝1倍台のゴールドシップがリカバリー不可能な出遅れにより、レース開始1秒で関連馬券120億円を紙くずへと変えた大惨事は記憶に新しいですし、数年前はルーラーシップが同じく酷い出遅れ癖で引退を余儀なくされています。



そこで、何度かに分けて、そうした馬の出遅れ・ゲート難について考えてみたいと思います。



まず、競走馬はなぜ出遅れるのでしょうか。
精神的な原因が最もな要素ではありますが、その点についは後回しにして他の肉体的要因と、外的要因(馬以外の原因)について述べたいと思います。


・スタート時のハーフバウンドが苦手。
・乗っている騎手が下手。



このように、馬と人間の技術的な原因もあります。
『ハーフバウンド』というのは、いわゆる肉食獣が使う両足で蹴る走法『バウンディング』に近い走法。
この件については以前に記事にしているので、そちらを参照下さい。


スタートで出遅れる追い込み馬は、なぜ先行出来ないのか・2

上の話から逸れますが、ついでに”その1”も。
スタートで出遅れる追込み馬は、なぜ先行出来ないのか・1





私の出資馬、ソーディヴァインはまだ2歳ではありますが、どうもこのハーフバウンドが苦手のようです。
調教師によれば
「ゲートから飛び出す際に、一度重心を後に傾けてから出るのでワンテンポ遅れてしまう。」
とのことで、後両足で蹴り出す為についつい後にタメを作ってしまう癖なのだと思います。


ハーフバウンドが上手い馬は、首と背中の可動がスムーズな柔らかい動きが出来る馬や、単純に器用な馬に多いように感じます。
ただ、スタートからポジション取りまでの上手さはハーフバウンドだけで決まるわけではなく、ハーフバウンドからギャロップに移行するポイントは馬によってかなり違いがあり、スタートからすぐにギャロップに変える馬もいれば、もう少しハーフバウンドを続ける馬など様々で、それら総合的な走法の巧拙で、「スタートダッシュ」の上手さが決まります。



逆に出足が硬い馬や脚の回転力の無い馬は、中々スピードに乗れずジワジワとしか前に出られない為、ゲートそのものは五分でも先行出来ないケースもあります。




かつてのハーツクライがこのような症状で、後からの競馬が常でしたが、成長と共に脚の曲がりが治ったことの影響なのか、徐々に走法が変わったことで解消しました。

しかし、馬というのは賢いもので、これまで培ってきた競馬のやり方を再現しようとする為、本当はもう先行する脚を身に付けてはいたものの、しばらく後方からの競馬を続けていました。



これは馬に行く気があるのに控えてしまった騎手や作戦を立てる調教師にも大いに問題があるのですが、ディープインパクトを破った有馬記念で突然、先行策に出たように見えるハーツクライには、実は「先行出来る兆候は近走からあった。」と騎乗したルメール騎手は述べています。

以前主戦も務めた武豊騎手がこの事について「先行出来るものなら僕もそうしていた。」と述べていたのは、負け惜しみだけでは無いのかも知れません。

・・・先行出来る出来ないの話に逸れてしまいましたが、ゲートもこのように馬の心理的・肉体的要因の他、人間側の問題等、様々な要素が絡み合っているということです。







続いて騎手の技術面について。
若手騎手は特にスタートについては悩みが尽きないようで、佐藤哲三騎手が引退した直後、某番組で若手からの「出遅れない為のスタートを教えてほしい。」という質問に答えていました。

佐藤「出遅れない為には、イスに座るようにベタっと尻をつくのではなく、股関節を立てて座る。それで後ろに振られにくくなる。」
・・・という、乗馬初心者に教えるような内容で、若手達も「あ、ああ、ハイ。(誰でも知ってるよそれ・・・)。」
という、薄い反応を見せていました。

大したアドバイスで無いというのは、つまり、スタートの瞬間、騎手に出来ることというのは多くはないようです。



川田騎手も新人騎手から同じような質問をされた際には
「馬を出そうとするな。出るのはあくまで馬自身。急かすと逆効果で、ゲートが開いて一歩目を邪魔することになる。邪魔しないようについていくことが大事。」
と言っていました。

どうやら、騎手の力で”絶対に出遅れる馬”を”出遅れないようにする”・・・というのは不可能な模様。
では、騎手の腕は関係ないのかといわれるとそれも違うようです。





以前”逃げの中舘”と異名を取った元騎手・中館調教師が出遅れたレースがありました。
馬はスタート時の動きが硬く、出て2~3完歩程は前後の脚がバラバラになっていましたが、中館騎手が即座に腰を落として騎坐でスッ、スッと押すと途端に馬の走法が正常に戻り、大して追わずに前へとスムーズにポジションを戻して行きました。


これは厳密には出た後の技術で、スタートする瞬間の0.01秒の言葉にすることが出来ない瞬間的な判断や技術は目に見えないので分かりませんが、手綱、ハミへの力を掛け方や座りのバランスなど、きちんと馬を手の内に入れる技術の有無は間違いなく、スタートで焦れる馬を制御できるか否かに左右するはずです。



もっと分かりやすく、出遅れた騎手を数値化したデータ

出遅れ騎手ランキング

を見ても「騎手は出遅れに無関係」とは、言えないでしょう。





11:18:09
出資馬のグランビスキュイ(父:エンパイアメーカー)が去勢され、せん馬となりました。
タマタマをねじ切る方式なら、1週間ほどで乗り運動を再開出来ます(ニッコリ)・・・ということで、早くデビュー戦が見たいです。

これまでの経緯を簡単に説明すると・・・



・牧場時代は素直で従順だった。

・入厩してもそれは変わらず従順だったが、なぜかゲート練習を異常に嫌がる。

・徐々に気性が悪化し、うるさくなる。ゲート練習はもちろん話にならず。

・無理やりゲートにつなぐ等対策をしたが、練習中に暴れて外傷を負う。

・リフレッシュに放牧に出され、再び入厩。引き続きゲート練習も効果なし。

・ゲート矯正を専門とする宮崎ステーブルに移動。

・相変わらずうるさいが、一つ一つゲート矯正のプログラムをこなす。

・しかし、気性難は悪化。追い込むとパニックを起こす有り様。

・ついに宮崎ステーブルにも匙を投げられ、去勢へ。




このようになります。
気になったのは、入厩してからうるさくなったこと。

牧場で普段から慣れたスタッフと大自然の中、のびのびと調教を積んでいた際にはリラックスして過ごせたのでしょうが、入厩してからは『馬を鍛える為の施設』の中、生きるか死ぬかを分ける厳しい競争社会で、研ぎ澄まされて肉食獣のようにギラギラした現役馬達に囲まれ、精神的なプレッシャーをかなり感じたはずです。

そのストレスで気性難のスイッチが入ったのだと思います。
ではスイッチを入れないように出来るのかと言えば、それは競走馬として生活をおくる上では不可能でしょう。
勝負の世界でふんわりとリラックスした状態で勝利を収められるのは、相当な逸材だけです。






グランビスキュイは上記の通り、ゲート難を解決するために送られた宮崎ステーブルで一つ一つ改善プログラムをこなしていましたが、気性難が徐々にひどくなり、パニックを起こすようになると、結局最後は見放されてしまいました。

インターネットを見ていると、「ノルマンディーファームにいた頃の何かトラウマが原因なのでは。」等、育成に関わる人間の責任だという意見もあります。

以前に記事にしたように、確かに競走馬の気性と良し悪しと、育成スタッフの熟練度には一定の相関があります。
(下記参照)

生産牧場が与える競走馬の『気性』への影響




しかし、私の結論としては、気性は『環境<遺伝』の影響の方が大きく、致し方ない面はあるように思います。

この辺りも過去の記事で既に述べていますので割愛します。


競走馬の気性難は血統による遺伝的要素が大きいのか


シマウマが徐々に凶暴化するのは遺伝



宮崎ステーブルの担当者は
「これから春になり、男性ホルモンが増えてくれば今まで以上に気性難となる可能性があるので、去勢を進言したい。」
といった内容を述べています。

成獣になるにつれて元々持っていた物が表面化してしまったということです。
なぜかと言うと、グランビスキュイの母リトルビスケットも気性難であったようで、これが遺伝したものと思われます。

上記のキツネ・シマウマの話同様、幼い頃は本質が抑えられていても、ペットならまだしも、競走馬特有の闘争本能を掻き立てる調教を行えば、眠っていた”気性難のスイッチ”が入ってしまうのは自然な事です。





ゲート難を矯正する為に送られた宮崎ステーブルでプログラムを順番にこなしていたようですが、これはプロの訓練士が行う『犬のしつけ』とほとんど同じアプローチをしていると思われます。

「これは安全な物だよ。」、「こうすれば楽だよ。」、
「これが出来ると褒めてもらえるよ。」、「これは絶対、譲れないんだよ。」

と一つ一つ馬を納得させて行くのです。


馴致のプロで馬の行動心理学などを研究、生産者向けのセミナー講師をされている宮田朋典氏も

「馬の問題行動は治るというより、一時的に良い方向へ向けること。」

と述べており、教育によって悪い面を内側に抑え込んでいるだけで、いつまたそれが表面化するか分からないし、ある程度”持病”と同じく、一生それと付き合う気持ちが必要なようです。


ですから馬の性質は「環境より遺伝が優先される。」が大前提にあるものの、人の力でそれをどこまでカバー出来るかが重要なわけで、厩舎スタッフの腕が試されるのです。

周知のことではありますが、これが馬選びのおいて『厩舎』が『血統』、『馬体』に並ぶファクターである理由の一つであり、近年では放牧先の『外厩』もそうした役割が厩舎と同等に重要になっているように思います。





【一口近況】
また色々と忙しくなる予感!週一以下の更新で頑張ります!
【BAR】
「いらっしゃいませ~」 
コズン:牡30代(神奈川在厩)
一口馬主5年目。重賞勝ち、名付け親、口取り(達成)を目標とし、まったり更新中です。

アクセスカウンター
着物買取着物買取カラコンライフブランド買取
【カテゴリ】

openclose

【一口馬主リンク】
★競馬悟空の馬日記
★じろう厩舎~一口馬主日記~
★谷中小学校の一口馬主blog
★ゆーちゃんの一口馬主&競馬日記
★夢のある一口馬主Lifeを!
★一口ばぬ史
★一口馬主放浪記
★La pequena felicidad
★まーくの一口馬主と競馬の日々
★一口馬主始めたよ!工藤厩舎の…
★無事是明馬





このブログをリンクに追加する
【管理人への連絡】

名前:
メール:
件名:
本文:

【一口ブログ更新履歴】
【MY・ベコ(出資馬)】
ノルマンディーOC
………………………………………
ルグランパントル セン
父:マツリダゴッホ
5歳・準オープン
募集金額:1400万円
獲得賞金:6906万円

………………………………………
ウォリアーズソウル セン
父:Warrior's Reward
5歳・1000万下
募集金額:1600万円
獲得賞金:3515万円

………………………………………
クロニクルスカイ セン 
父:マンハッタンカフェ 
6歳・1000万下
募集金額:2000万円
獲得賞金:2616万円

………………………………………
ブラックジェイド 牡
父:スペシャルウィーク
3歳・500万下
募集金額:2560万円
獲得賞金:2195万円

………………………………………
ホウロクダマ 牡
父:ショウナンカンプ
3歳・500万下
募集金額:1040万円
獲得賞金:925万円

………………………………………
クレムフカ 牝
父:シニスターミニスター
3歳・未勝利
募集金額:720万円
獲得賞金:0万円

………………………………………
ロワセレスト 牡
父:ルーラーシップ
2歳・未出走
募集金額:2960万円
獲得賞金:0万円

………………………………………
リンダムーンの15 牡
父:スペシャルウィーク
2歳・未出走
募集金額:1480万円
獲得賞金:0万円

………………………………………
シルクホースクラブ
………………………………………
ストロングタイタン 牡
父:Regal Ransom
4歳・古馬オープン
募集金額:4000万円
獲得賞金:7709万円

………………………………………
ソーディヴァイン 牝
父:キンシャサノキセキ
4歳・1000万下
募集金額:1600万円
獲得賞金:4789万円

………………………………………
セカンドエフォート 牡
父:ワイルドラッシュ
4歳・500万下
募集金額:4000万円
獲得賞金:1372万円

………………………………………
グラドゥアーレ  牡
父:ダノンシャンティ
3歳・500万下
募集金額:1800万円
獲得賞金:1280万円

………………………………………
ヴィグラスファイア  牡
父:サウスヴィグラス
2歳・未勝利
募集金額:2000万円
獲得賞金:410万円

………………………………………
アーモンドアイ  牝
父:ロードカナロア
2歳・未勝利
募集金額:3000万円
獲得賞金:280万円

………………………………………