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なぜ、馬のプロ達が揃って「馬の顔は重要。」だと語るのか・・・。
彼らの話もやや抽象的で正直、素人にはその理屈を理解するのは難しいです。
もしかすると、馬のプロ達も理論的には説明出来ないのかも知れません。


ただ、理由や根拠が自分でもハッキリとは分からない物の「確かに良し悪しを感じる」事というのはあります。


私は年間50本程の映画を家で見ます。
小難しい作品では無く、普通のハリウッド映画がほとんどです。

ですから、別に特段映画マニアでも無いし、俳優の名前も本当に有名な人しか知らない程度のレベルなのですが、映画を開始10分も見れば、大体その映画が面白いか面白くないか判別出来るようになりました。


理屈では120分の映画で最初の10分だけならまだ10%も進行しておらず、後半にいくらでも挽回する時間はあるはずです。
しかし、最初の10分で「これはダメなパターンだな。」と思うと、最後まで見てもその評価が変わることはほとんどありません。


逆に最初の10分の『掴みはOK』でも、ストーリーが進むにつれイマイチになっていったり、最後の決め手不足でオチがつまらないというケースはありますが、少なくとも最初の段階で脱落すると、リカバリーは出来ないということです。


なぜ分かるのかと言われると、いまいちピンときませんが、何か挙げるなら
「ハリウッド映画の構成は基本的なパターン、時間配分がどれもほとんど同じ」
なのかも知れません。

どれも似たようなパターンで進行していくので、冒頭だけのブロックだけ見て、過去の他の映画と比べるだけで、作品の全体水準を推測し、評価が出来てしまうというわけです。

もちろん、それだけで説明出来ませんし、単に好みの問題をそう思っているだけかも知れないので、結局の所、よく分からないのです。

それと、同じで「馬の顔」についてもプロ達も具体的に根拠をもって説明することは難しいのかも知れません。
少なくとも私は、プロ達がそれ以上の理由について言及した発言を聞いたことはありません。





・・・これは一つの可能性ですし、私の妄想になりますが、馬の目や顔を見て語っているとプロ本人達がそもそも勘違いしているからという可能性は無いでしょうか。

つまり、実際には顔だけでなく、仕草や身体全体の雰囲気、歩様などを同時に見た上での判断にも関わらず、顔の印象だと思い込んでいるということです。


どういう事かと言うと、馬のプロ達は私たち素人一口馬主のように、写真やカタログで馬を選別することはありません。
実際の実馬を見て、値踏みしているわけですから、そういう事が起きるのです。


静止画や動画のような無機質な『情報』になっている物と、実際に目の前で見るのとではその質が全く異なります。
人間はその個体を認識、識別する順番として、無意識に『顔』という物を最優先にしています。
「人は見た目が9割」などという言葉もそこから来ています。




馬のプロ達の「馬の顔は重要」というのは、あくまで馬体全体を見た上での評価、印象を人間の本能的な美的センスが「顔」の印象だと思い込ませているのが原因ということです。

同じ美術品でも「名作で~億円の価値がある。」と聞いて見るのと、「駆け出しの若者の作品。」と聞いて見るのとでは、一般人はもちろん、プロの評論家や画商等でも下す評価が変わるのと同様、顔だけを見ることと、良い血統と良い馬体を見てからの顔を見た印象では異なってくるはずです。




もしも馬の顔だけで相馬になるというのなら、馬の体や血統や動き、首から下を一切を排除し”顔だけ”を見るだけでも、走る・走らないの判断が付くということになります。

もちろん、G1馬を選べるだろうという意味ではなく、サンプルとして充分な数を用意し、顔の良し悪しだけで有意差のあるデータを取ってみて欲しいということです。
私と相馬眼に天と地程の差があるプロが選んでも、それは恐らく無理だろうと思っています。





そもそも、ブサイクな馬に名馬がいないというわけでもありません。
上で挙げたダイナガリバー、顔デカで有名なビワハヤヒデ、牝馬でおブスと言えばベガ、歴史を遡りヒカルメイジは牧場主や他の馬主からもブサイクだと嘲笑の的になっていた為、馬主ですら見に来なくなったというエピソードがある程です。もちろんダービー馬になってからそのように言う者はいなくなったと思われますが・・・。

ダイナガリバーのパターン(伸びた流星が原因)で言えば、ダンツフレーム、メイショウサムソンなどもブサイクと呼ばれていましたし、ブサイクな名馬も探せばいくらでもいるのではないでしょうか。





この「馬の顔の相馬」は以前に紹介した、「鳩の目」でレース鳩を選ぶ方法と同じ、深読みが招く自己満足の世界なのかも知れません。


本当にそうなのかどうかは私は素人なので分かりませんが、仮にプロが言うことが正しいとしても
『顔の良い馬は走る』
という、言葉にすると一見、シンプルで分かり易い相馬であり、素人が真似をしたくなってしまいますが、実際にそれを理解し見抜くことは非常に難解で、そこに下手に手を出すと、思わぬ間違った方向へ行く可能性があると考えており、私はあまり触れないこととします。







また、仮にプロに顔の良し悪しが分かったとしても、それが「馬の顔が悪ければ買わない」とまで言える程、走る・走らないの重要な要素になり得るとは私にはどうしても思えないのです。


プロ達が口を揃えて「目や顔は重要」だと言うのですから、何かあるのだとは思いますが、私に真似出来る域では無いようですし、非科学的な要素は人に学ぶのでは無く、自分で身に付けるしか無い気がします。




・・・これで終了なのですが、あまりに中身が無いので何とか私なりに「ブサイクな馬はなぜ走らないのか」をテーマに『顔相馬』を考えてみたいと思います。
馬のプロ達の”良い顔”や”ブサイク”の定義に言及していない為、私なりの判断で一般にブサイクと言われる要素をいくつか述べます。

もちろん、馬の目に関することは、これまで述べたように私は完全否定派の為、除外しています。




まず顔がでかいこと。頭でっかちはポニーやロバを想像させます。
体に対して顔の大きさのバランスがおかしい程に大きい場合、走行する上で障害になるはずです。

競走馬の走行フォームについて「首の使い方が上手、下手」という表現をしますが、顔が大きいために首や肩との連動が上手く行かず、重苦しい動きをする馬はいるかと思います。
顔単体の問題というより、それらとのバランスの問題なので、単純に顔が大きい事だけでそうなるとは言えませんが・・・。




次に歯並びが悪いこと。極端に言えば”しゃくれ”(受け口)のような顎や口周りが悪く見えます。
歯並びが悪ければハミ受けに影響し、騎手が正確な制御をすることが出来なくなります。

また、周知の通り腸ねん転や疝痛を簡単に起こすように馬の胃腸は弱いため、歯並びが悪い事で咀嚼の質が悪くなり、消化不良で胃潰瘍をはじめとする内臓の疾患により、ガレてしまったり、時には上記の病名で命を落とすこともあります。

海外には馬の歯専門の医師もおり、競走馬にとって歯は非常に重要な要素なのですが、一方でゼンノロブロイの歯を担当したダーレン・ハートショーン医師は「歯を見ただけじゃ、その馬が走るかどうかは分からない。」と述べています。




次は皮膚病に掛かっていること。美しくない皮膚や目元は嫌われます。
内臓疾患などが原因での皮膚病ならば心肺能力が落ちることが考えられ、真菌などが原因の感染症でも痛み、かゆみで調教やレースに集中出来ないばかりか普段からイライラし、競走馬としての才能が開花出来ません。

「馬の目」の相馬は否定しましたが、競馬場のパドックに行くと微細な部分まで確認出来る為、私は馬の「目元の皮膚の状態」を見ます。毛が無い部分なので、毛色などに邪魔されることなく、皮膚の良し悪しが分かる”気がします。”



ただ、体質の問題で慢性的な物もあれば、一時的な感染でなっただけの物もあり、きちんと治療される環境であれば、そこまで気にする要素でも無いかと思いますし、そもそも皮膚炎は顔だけに限った話でも無いです。



最後に、明らかに顔が異質であること。遺伝子疾患の可能性があり、先天的に運動能力が低かったり、体質が弱いなどの可能性があり、インブリード(近親交配)が強いケースも多いサラブレッドの宿命ともいえます。

かつて、支配を永劫続ける為に近親婚を繰り返し滅んだ、ハプスブルク家も身体的・知的・性的に障害を抱え、最後の王カルロスも遺伝性疾患により死亡しています。

字面だけで見れば『受け継がれる良血の純潔』は貴族的とも言える素晴らしい”格”を感じされますが、現実的にはそういうデメリットもあることを覚えておかねばなりません。





『良い顔』は上記と真逆となり、身体のバランスが取れ、顎や口元はシャープで、皮膚は美しく、スタンダードで馬らしい顔をしているということです。

『馬の顔が相馬になるのか』の結論としては、多少の参考になるにしても、極端な場合を除いて競走能力に与える影響は少なく、それよりの仕草や立ち振る舞いから『気性』を読み取る方が重要な要素だと思います。



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