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15:03:48
フサイチホウオー。
それは日本ダービー、ケンタッキーダービーを制覇した関口房朗オーナーが三度ダービーを制覇する為にセレクトセールで1億円で落札された馬。

ダービー当日の単勝オッズは1.6倍。
関口オーナーは当時ブームだったボクシングの亀田ファミリーを従え、レース前からファンたちに手を振る余裕。

しかし、勝ったのはウオッカ。
フサイチホウオーは7着でした。

その後は輝きを見せることなく、重賞を5戦して、うち4戦が二桁着順と凡走。
ひっそりと引退していきました。




【ダービー単勝1倍台に支持された馬達】


83 ミスターシービー  顕彰馬
84 シンボリルドルフ  顕彰馬
91 トウカイテイオー   顕彰馬
94 ナリタブライアン   顕彰馬
05 ディープインパクト 顕彰馬
07 フサイチホウオー
15 デュラメンテ


・・・フルゲート18頭制になって以降、ダービーの1番人気は17年連続で複勝圏内に入っていたが、その記録をフサイチホウオーが断ち切った。





これを見るだけでもフサイチホウオーが異質な存在であることが分かります。
また、当時は牝馬が牡馬と互角にやり合うことはもちろん、ダービー馬になるなど考えられない雰囲気がありました。





(大スポ・伊藤雄二元調教師にウオッカのダービー挑戦について聞く)

-ウオッカが大きなチャンレジを敢行します。
「ワシには理解できんわ。はっきり言って何をしたいのか、よう分からん。
桜花賞で勝っているならまだしも、2着に負けてるんやろ。何でオークスに出とかへんかったんやろうな」

-この戦いは厳しい?
「3歳の1,2月までなら完成度の高さで牡馬相手にも善戦できる。でも春になると牡馬もドンドン成長する。
桜花賞と皐月賞のパドックで馬を見比べてみい。体つきが男と女では全然違うのが分かるはずや」

-96年のオークス馬エアグルーヴが仮にダービーに出走していれば?
「ワシは個人的にはエアグルーヴが史上最高の牝馬だと思っているけど、あの馬でも勝てへんかったと思う。
仮に出走していてもレース中に牡馬に体をぶつけられてヒルんで終わっていたやろうな」

-87年にはマックスビューティが神戸新聞杯で牡馬相手に勝利していますが。
「G2とダービーは格が違う。道中で馬体と馬体が激しくぶつかり合って、道中からかなり消耗する。
ダービーはタフネスが必要なんや。もちろんオークスとも厳しさが全く違う」

-やはりウオッカの挑戦は無謀?
「牡馬は上がり調子でこのダービーを迎えられるのが多い。逆にウオッカは休み明けのエルフィンSの時からビッシリ仕上げすぎた。
もうこのレースへの余力がないやろうから、余計苦しいと思うで」

-では気になる牡馬は?
「ダービーは歴史に残る名勝負が多い。要するに強い馬が勝つ。それに今年は軸がしっかりしている。
フサイチホウオーの皐月賞での脚を見ると、あの馬にかなうのはおらんのとちゃうか」

(2ちゃんねるより)




と、このように自称含め、玄人ほどフサイチホウオーを推し、素人ほど牝馬ウオッカを支持する傾向にありましたが、結果は上の通り。

この時期からダイワスカーレット、ブエナビスタ、ジェンティルドンナなど牡馬を打ち負かす牝馬が続々と登場。
伊藤氏の言葉は当時の基準から見れば正に”正論”なのですが、『競馬の常識』などという洗練されていない物は簡単に覆るし、物事を先入観と経験則で簡単に決めつけてしまうことの愚かさを学びました。







フサイチホウオー失墜の原因の一つに、うつ病が挙げられていました。
ホウオーは繊細な馬で、牧場へ放牧に出された際には、厩舎で飼われていた犬や同厩フサイチリシャールと別れた事で極端に寂しがり、一日中鳴き続けたそうです。

結果、体を戻すどころか、休養前よりもガレてしまう有り様で、この辺りのメンタルの弱さが競走馬に不適格であったとする見方もあります。


引退して牧場に戻った後も、最初は見学者達と積極的に触れ合っていたホウオーでしたが
「これが”あの”ホウオーかぁ・・・」という好奇の目で見られていることを察してか、次第に馬房から出ることを止めてしまったという逸話もあるほどで、元々集団生活を営む馬は「察する」ことに優れた動物ですが、ホウオーは特に繊細で、精神的な弱さを助長していたようです。



人間のアスリートも『心技体が揃ってこそ』と良く言いますが、サラブレッドも同様なのでしょう。



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