競馬の一口馬主を回収率重視で続けていく初心者向けブログ。府中でベコ買うだ!
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19:50:06
これまで何度か「高速馬場と骨折は無関係」という主旨の記事を記載してきました。
競馬「高速馬場で骨折・屈腱炎が増えている」はウソ

要約すると高速馬場は単に馬場の改善によって走破タイムが速くなっただけで馬場の硬度はむしろ以前より軟化しており、骨折・屈腱炎の件数は減少しているということです。

しかし、走破タイムが速くなれば脚への負担自体は増えるようにも思えます。
つまり骨折の減少の理由は競走馬の身体の頑丈さが向上した事や、獣医学の進歩のお陰ではないのか?
こうした疑問点は残っていました。

この疑問について、netkeiba.comのコラムにてJRA競走馬総合研究所の高橋氏が最新の研究結果を述べていました。


『骨折や屈腱炎は、高速馬場が影響しているのか』
(JRA競走馬総合研究所 高橋敏之主任研究役)

年間1000頭以上にのぼるという「骨折」。その原因はいったい何なのか。

高橋 :「良馬場の芝でスピードが出る高速馬場だと故障しやすい」と言われますよね。それで、ちょうど昨年、調査を行いました。その結果、ほとんど関係はなかったんです。

腕節や球節の骨片骨折など程度の軽い骨折も入れて、1着馬のタイムが平均よりも速くなったときに、どれだけ危険性が上がるかというのを調べました。良馬場の芝で、1200mで0.8秒、1400mで1秒、2000mで1.5秒、それぞれタイムが平均より速くなったと仮定するんです。

そうすると、1400m以外の距離では、速く走っても危険性の上昇はありませんでした。ちょっと難しいんですが、「オッズ比」と言いまして、例えば「タバコを吸うとガンになる確率が20倍です」というように言われますよね。それをオッズ比と言うんですけれども、1400mの場合に若干の増加が見られますが、すべての競馬場で1着馬の走破タイムが1秒速くなったと仮定した時に1.174倍、頭数にすると年間約4頭増加なので、それほど心配するような結果ではないと思います。

netkeiba.comより抜粋
http://news.netkeiba.com/?pid=column_view&cid=23782




・・・ということで、高速馬場により馬が速く走ることで骨折件数が増えるというのは間違いとの事です。
「活躍している名馬ほど、速く走ることが出来るから骨折が多い」との認識を持つ人もいますが、実際には活躍馬の怪我は単にニュースになり易く、競馬ファンの認知度が高いだけのようです。

23:30:10
以前の記事で「馬体重が重いほど、屈腱炎の発症率が上がる」(JRA競走馬総合研究所)と紹介しました。
だとすれば、過去のデータから見ても短距離馬(スプリンター)の方が長距離馬(ステイヤー)よりも馬体重が重い傾向にあるわけですから、スプリンターはステイヤーより屈腱炎を発症しやすいと予測することができます。

また同じく以前の記事で述べた中に、アメリカの研究結果で「短距離馬の方が長距離馬より(重度の)骨折の確率が高い」というデータがありました。



骨折の発症率は

短距離馬  長距離馬




となり、やはりスプリンターは怪我のリスクが高いようです。

しかし、JRA競走馬総合研究所の高橋敏之氏の研究によれば、



屈腱炎の発症率は

短距離馬  長距離馬




だそうです。理由はよくわかりませんが、骨折の発症率と逆になります。


屈腱炎に関しては、体重が重い方が発症しやすいのに、短距離馬より長距離馬の方がなりやすいという事は、一体どういうことなのだと混乱してしまいます。


しかしながら、よくよく考えると確かに中長距離で活躍する馬が屈腱炎を患ったという話は短距離馬よりも多く感じます。
では長距離馬の頂点とも言える天皇賞・春を例に。


過去の天皇賞・春(3200m)の過去10年の勝ち馬を見ると、

2012年 ビートブラック・・・屈腱炎
2011年 ヒルノダムール・・・屈腱炎
2010年 ジャガーメイル・・・健康
2009年 マイネルキッツ・・・健康
2008年 アドマイヤジュピタ・・・屈腱炎
2007年 メイショウサムソン・・・健康
2006年 ディープインパクト・・・健康
2005年 スズカマンボ・・・繋靭帯不全断裂
2004年 イングランディーレ・・・屈腱炎
2003年 ヒシミラクル・・・繋靱帯炎
2002年 マンハッタンカフェ・・・屈腱炎




このように、屈腱炎発症馬が非常に多いです。”繋靱帯”についてはご存知とは思いますが、屈腱とほぼ同じ位置にある物で、原因も屈腱炎と同じです。

逆に短距離馬の頂点であるスプリンターズS(1200m)の同時期の勝ち馬を見ると、屈腱炎を発症したのは、スリープレスナイト1頭でした。

このことから屈腱炎発症率が、短距離馬<長距離馬というのは正しいように思えます。




では、そもそも「スプリンターはステイヤーより体重が重い傾向がある」が間違っているでしょうか。
スプリンターズS(1200m)と天皇賞・春(3200m)の勝ち馬を比較するとスプリンターズSの勝ち馬は平均して約10キロ程度重いようです。(2000年~2009年の10年分)

10キロ程度というのが明らかな違いと言っていいのか微妙なラインですが、少なくても想像していたよりも差がありませんでした。

私は短距離馬をイメージする時、人間の100m走選手を・・・長距離馬はマラソン選手を思い浮かべますが、そもそもJRA競走馬総合研究所は「競馬とはどの距離も人間でいうトラック競技の”中距離走”である。」と言っており、私のイメージが間違っていたという事です。



つまり、屈腱炎を発症しやすさは


馬体重が重いステイヤー
  ↓
ステイヤー
  ↓
スプリンター
  ↓
馬体重が軽いスプリンター




このような傾向にあるようです。
ただ、以前に述べた通り、体重が重いからと言って必ずしも「太っている」わけではないし、痩せていても体のバランスが悪ければ脚に掛かる負担は大きいでしょう。

個体差は相当ありますから、あくまで参考程度に留めて置きたいと思います。



ちなみに2009年の骨折件数は約1000件。屈腱炎は約800件と判明しており、どちらも年々減っています。

21:57:28
記事作成時点でのアグネスタキオン産駒で重賞勝利を収めた馬達の一覧です。(一部地方重賞は除く)
アグネスタキオンといえば、自身も脚部不安で引退し、その弱い脚元が子供達にも遺伝してしまっていることで有名で、下記の通り、ほとんどの馬が骨折や屈腱炎で休養、引退しており、通常では信じがたい高い確率です。

それでも活躍馬が非常に多いことから、種付け数は大変多い馬です。タキオンが急性心不全で11歳という若さで死去したことから、残りの産駒を見られるのはあとわずかな期間となっています。


img_433440_9084350_0.jpg


【アグネスタキオン産駒 重賞勝ち馬一覧と故障】


ディープスカイ(日本ダービー、NHKマイルC)
・・・屈腱炎 引退

ダイワスカーレット(有馬記念、桜花賞、秋華賞、エリザベス女王杯)
・・・屈腱炎 引退

キャプテントゥーレ(皐月賞)
・・・骨折 1年間休養

ロジック(NHKマイルC)
・・・屈腱炎 引退

リトルアマポーラ(エリザベス女王杯)
・・・健康

レーヴディソール(阪神ジュベナイルフィリーズ)
・・・骨折2回 引退

アドマイヤオーラ (弥生賞、京都記念、シンザン記念)
・・・骨折2回 故障2回 引退

アドマイヤコマンド(青葉賞)
・・・屈腱炎 1年半休養

ダイワワイルドボア(セントライト記念)
・・・健康

ブロードストリート (ローズS)
・・・健康 仔馬時代は虚弱体質

サンライズプリンス(ニュージーランドT)
・・・屈腱炎 引退

アイアムカミノマゴ (阪神牝馬S)
・・・脚部不安 引退

コパノジングー(目黒記念)
・・・健康

クォークスター (セントライト記念)
・・・繋靭帯炎 引退

リディル (スワンS、デイリー杯2歳S)
・・・骨折、球節炎 引退

グランデッツァ (スプリングS、札幌2歳S)
・・・屈腱炎 現在休養中

サウンドオブハート (阪神牝馬S)
・・・骨折、浅屈腱不全断裂 引退

ショウナンタレント(フラワーC)
・・・健康

レインボーペガサス (きさらぎ賞、関屋記念)
・・・腸骨々折、腰角部裂創、屈腱炎、骨折

マイネカンナ (福島牝馬S)
・・・健康

ランザローテ(プロキオンS)
・・・屈腱炎、脚部不安、骨折 引退

ヒカルアマランサス(京都牝馬S)
・・・健康

ジェルミナル(フェアリーS)
・・・屈腱炎 引退

レッドデイヴィス(シンザン記念、毎日杯、鳴尾記念)
・・・骨折 半年間休養

ノーザンリバー(アーリントンC)
・・・脚部不安 2年間休養

アイアムアクトレス(ユニコーンS)
・・・健康

オメガハートランド (フラワーC)
・・・ 健康

ショウナンタキオン (新潟2歳S)
・・・第1指関節脱臼 予後不良・安楽死




書き起こすと改めてタキオン産駒の故障率の多さに怖くなります。
ネットでもあまりの虚弱ぶりに”ポキオン”(すぐにポキッと折れるから・・・)、
”タキオンタイマー”(遅かれ早かれ故障するのは決まっているから。ソニータイマーから。)
などと、揶揄されることもしばしば。

確かにここまで無事に引退できる馬が少ないというのは、異常です。
ちなみに重賞馬以外のデータで1頭あたりの出走回数を他の産駒と比べても、やはりアグネスタキオン産駒の虚弱ぶりが目立ちます。



遺伝子を設計図とするならタキオン産駒は設計段階に問題がある『欠陥品』にあたると思います。

ただし、その『欠陥品』が他の馬よりも速く走っているというのが事実です。
「脆いが、速い。」という、自然界の動物で考えれば矛盾する”強さ”を持つサラブレッド。

芸術品にも例えられる、速く走る為に人間が作り出したサラブレッドの姿は一切の無駄をそぎ落としたギリギリの

”究極のデザイン”

なのでしょう。

その脆さが原因で命を失ってしまっては何も意味が無いようにも思いますが、速く走れない馬は結局、競馬の世界から淘汰され、命を失うことになることを考えると、タキオン産駒の脆さを『欠陥品』と決め付けることは出来ないのかも知れません・・・。


19:16:57
アメリカのジョッキークラブから発表された2012年度版の競走馬の骨折に関するデータ。
JRAもこの位、しっかりとしたデータを発表すれば「高速馬場が~」などという言われなき批判も減るはずですが、マスコミがあまり協力的でないのか表に出ません。




グラスゴー大学の獣医師で伝染病学者ティム・パーキン(Tim Parkin)博士による。





貴重なデータですね。予後不良とはつまり骨折であると言い換えて差し支えないでしょう。
上の画像上部に解説がありますが、再度まとめると・・・




【2歳より3歳、3歳より4歳の方が故障率が高い】

競走馬の骨折は疲労骨折が9割といわれています。
”ガラスの脚”だとか”消耗品”に例えられるように、年を重ねるごとに足元が弱くなっていく傾向にあるようです。
2歳の方が骨格がより未熟だから骨折が多いような気もしますが、それはイメージで実際には違う模様。
ただし、育成の段階で本当に骨の弱い馬達は調教に耐えられず、早々に脱落していくのでその点は注意です。






【人口馬場(オールウェザー、ポリトラック)の故障率は低い】

オールウェザーはダート、芝よりも明らかに骨折の件数が少なく、管理のし易い人口素材を混ぜた馬場はクッション性、均一性共に抜群であるということです。
レースはともかく、今後のJRAのトレーニングセンターの馬場などには影響を与えそうです。
ウッドチップとの比較などJRAの研究機関の急務であると思います。






【走破タイムの速い遅いは故障率と関係ない】

表には無い部分ですが、上の解説に「牝馬が牝馬相手でも牡馬と混ざっても確率は変わらない」とあります。
アメリカ競馬の特性を考えると「牝馬同士のレース」より一般に速いペース・走破タイムで決着する「牡馬との混合戦レース」でも故障率は変化しない・・・ということで、要するに速いタイムで走っても骨折の確率は変わらないということです。





【スプリント(短距離戦)の方が故障率は高い】

1200m未満のレースとそれ以上の距離のレースとでは故障率が異なり、短距離戦の方が故障率は高いようです。
一般に競走馬はステイヤー(長距離馬)よりスプリンター(短距離馬)の方が、馬体重は重い傾向にあります。(人間も中距離走以上は痩せ型が多く、短距離走は筋骨隆々が多い。)

芝とダートではJRAにおいてもダートの方が故障率が高いデータがあり、一口馬主において、
”ダートでスプリンター”と予測できる馬を持つことは、やや故障のリスクが高いようです。


とはいえ、実際には血統・育成・体質に依存する部分の方が大きいとは思いますので、あくまで全体としてそういった傾向があるという程度のことです。



18:21:34
以前は競走馬の”職業病”とも言われた屈腱炎ですが、近年のデータでは年々発症件数は減少しています。
平成6年当時の屈腱炎発症率は全体の約20%というのですから恐ろしい数値です。
これが獣医学や予防法、馬場の改善などにより平成16年には約半分の10%にまで減少しています。

このことは競馬ファンや馬主にとって大変ありがたい話なのですが、「高速馬場」を毛嫌いする層は相変わらず
「最近の馬は屈腱炎が多すぎる。固い高速馬場の影響だ。」と誤解を続けているようです。





1988年 JRA所属馬*****頭 延べ出走*****回 屈腱炎発症1000頭
1990年 JRA所属馬*****頭 延べ出走*****回 屈腱炎発症1200頭
1991年 JRA所属馬*6700頭 延べ出走39000回 屈腱炎発症1300頭
1994年 JRA所属馬*7200頭 延べ出走41000回 屈腱炎発症1400頭
1999年 JRA所属馬*8000頭 延べ出走44000回 屈腱炎発症1250頭
2002年 JRA所属馬*9500頭 延べ出走49000回 屈腱炎発症*800頭
2003年 JRA所属馬10000頭 延べ出走49000回 屈腱炎発症*750頭
2009年 JRA所属馬11000頭 延べ出走50000回 屈腱炎発症*800頭







上記のデータからも、近年の高速馬場によるレコード連発の速い走破タイムと屈腱炎の発症は関係ありません。
屈腱炎の減少の要因ですが、単純な部分だと前述のように獣医学の発達と、JRAの馬場の改善がまず挙げられます。腱の疲労を早期発見するノウハウが進歩し、また馬の脚に優しい均一なクッション性の効いた馬場が屈腱炎を減らしているのです。



この他ではスポーツ科学の面で、調教前の準備運動やクーリングダウンに時間を掛けることで、腱の疲労を溜めない、回復を早めるなどの予防法が確立されてきたことも要因のひとつでしょう。

以前は馬を鍛えるとは、すなわち馬に強い負荷を掛けてギャロップさせることであり、馬の疲労を溜めないようにするのは運動しないことであると考えられていました。
(未だにそう考えている前時代的な調教師もいるようですが・・・。)





しかし、長い時間を掛けた準備運動と、長い時間を掛けたクーリングダウンによって、馬を鍛えつつ疲労を溜めないことが科学的に立証されており、昔と比べて一頭にかける調教時間は長くなっているようです。

これを怠り、手早く馬の世話を終わらせるためなのか、いきなりギャロップで走ってそのまま厩舎に帰ってくるような方法を取る厩舎は馬主・一口馬主にとっては要注意でしょう。





これらは『競走馬の科学』(JRA競走馬総合研究所)や、『最強の競馬論』(森秀行 著)に書かれています。


また先の著書には、屈腱炎にかかりやすい馬の傾向として、以下が挙げられています。

屈腱炎を発症した馬とそうでない馬の馬体重を比較すると、屈腱炎を発症した馬のほうが馬体重が重く、


健康な馬の馬体重:平均460キロ 
屈腱炎発症馬  :平均477.8キロ



その差、約18キロ。
恐らく重いほどにリスクは高まる傾向にあると思われ、無視できない要素です。

ただ、一口に馬体重が大きいといってもデブで500キロの場合もあれば、骨格が発達しスラリとしているのに500キロの場合もあります。

人間でも190センチの男性が100キロあってもプロレスラーのような体型なだけでバランスは悪くないでしょうが、150センチの女性が100キロあれば、相当ひざ等に負担が掛かっているのが分かると思います。

要するに体重だけで決まる要素でないので、あまり気にしすぎる必要はないかも知れませんが、馬格の割りに重い馬は注意が必要かも知れません・・・。


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